「筋トレを始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」と感じる人は多いです。筋トレを効果的に行うためには、基礎知識や正しい方法を理解することが重要です。この記事では、筋トレを始める前の基礎知識から、自宅やジムでできる具体的なメニューやトレーニング方法を解説します。
この記事を読むことで、初心者でも安心して正しい知識と方法を学び、筋トレを始められます。自分に適した筋トレメニューを作成し、効率的にトレーニングを行いましょう。
筋トレを始める前の基礎知識
筋トレを始める前に知っておくべき知識として、以下の2点を解説します。
- 筋肉が成長するメカニズム
- 超回復の原理
正しい知識を身に付けることで、トレーニングの効果を最大限に引き出せます。
筋肉が成長するメカニズム
筋肉が成長するためには、筋繊維に損傷を与えることが必要です。トレーニングを行うと、筋肉に負荷がかかり筋繊維が破壊され、体は破壊された筋繊維を修復しようとします。筋繊維の修復過程で筋肉が成長します。筋肉の成長には、テストステロンや成長ホルモンも重要です。
テストステロンや成長ホルモンは、トレーニングによって分泌が促されるため、積極的に体を動かすことが大切です。適切な栄養摂取も筋肉の成長には欠かせません。トレーニング後に高タンパクの食事をとると、筋肉の回復と成長が効率良く進みます。休息と睡眠も、筋肉の修復と成長には不可欠です。
トレーニングで損傷した筋繊維は、休息中に修復されます。睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になり、筋肉の修復が進むため、十分な睡眠を取りましょう。筋肉が成長するメカニズムを理解すれば、効率的なトレーニングができます。
超回復の原理
超回復とは、トレーニング後の適切な休息と栄養で筋肉が修復され、以前よりも筋肉が強くなる現象です。トレーニング後には、筋肉の源となるタンパク質の摂取と、筋肉が完全に回復するまでの休息期間を設けることが重要です。
休息が不十分だと筋肉の成長が阻害され、オーバートレーニング症候群(※)を引き起こす可能性があります。筋肉の修復には、48〜72時間かかるのが一般的です。トレーニングと休息のバランスをうまく取ることで、筋肉が成長します。超回復のプロセスを理解し、安全かつ効率的に筋トレを行いましょう。
» トレーニングは続けていいの?筋トレ後の筋肉痛が辛い時の対処法
※ オーバートレーニング症候群とは、筋トレの疲労が十分に回復しない状態で、さらに筋トレを続けて疲労が積み重なることです。常に疲労を感じる慢性疲労状態が特徴です。
自宅でできる筋トレのメニュー
自宅でできる筋トレのメニューには、さまざまな種類があります。器具を使わず自重を利用するものが多く、自宅で手軽に取り組めるのが特徴です。自宅でできる筋トレメニューは、以下のとおりです。
- プッシュアップ(腕立て伏せ)
- スクワット
- プランク
- クランチ(腹筋)
- ヒップリフト
- ダンベルカール
- ダンベルプレス
- レッグレイズ
上記のエクササイズを組み合わせて、自分に合った筋トレメニューを作成しましょう。
プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップは、大胸筋や三角筋、上腕三頭筋を重点的に強化できます。自重を使うため、特別な器具が不要で、自宅でも手軽に始められるのが魅力です。プッシュアップは、フォームを変えれば鍛えられる部位も変わります。代表的なプッシュアップのフォームは、以下のとおりです。
- 肩幅より手幅を広くする:大胸筋強化
- 足を高くする:負荷が高く上級者向け
- 膝をつく:負荷が低く初心者向け
効率的に筋肉を鍛えるためには、1セットで行う回数とセット数を調整します。プッシュアップは、自宅でできる代表的な筋トレメニューです。
スクワット
スクワットは、大腿四頭筋やハムストリングス、大臀筋など下半身全体を鍛えるエクササイズです。下半身全体の筋力を強化できるだけでなく、バランス感覚や体幹の安定性も向上させます。姿勢改善や腰痛予防にも効果的です。スクワットには、自重スクワットとダンベルスクワットのバリエーションがあります。
初心者は自重スクワットから始めるのがおすすめです。慣れてきたら、ダンベルを手に持って負荷を増やしていきましょう。スクワットは、正しいフォームが重要です。正しいフォームで取り組むことでけがを防ぎ、効率的に筋肉が成長します。スクワットの正しいフォームは、以下のとおりです。
- 足を腰幅に開く
- つま先は膝と同じ向きにする
- お尻を後ろへ突き出す
- 股関節から折り曲げる
- 太ももが床と平行になるまで下ろす
- ゆっくりと元の姿勢に戻る
膝がつま先より前に出ないようにし、背中を真っすぐに保つことも大切です。しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くようにすると、効率良く力が入ります。
プランク
プランクは、腹筋や背筋を強化するエクササイズです。プランクを行うと、姿勢が改善しバランスが向上します。自重を使うため、特別な道具が必要ないのも魅力的です。プランクは両手と両足のつま先を床につけ、体を一直線に保つ姿勢を取ります。
プランクは初心者でも簡単に取り組めて、飽きずに続けやすいのが特徴です。鍛えたい部位を意識し、最適なフォームを保つことで、プランクの効果を最大化できます。プランクは道具を使わずにどこでも手軽に行える、優れた体幹トレーニングです。
クランチ(腹筋)
クランチは腹筋を鍛えるエクササイズです。クランチは簡単で初心者向けのエクササイズですが、間違った方法で行うと腰を痛めてしまうので注意しましょう。クランチの正しいフォームと注意すべきポイントは、以下のとおりです。
- 床に仰向けに寝る
- 手を頭の後ろに置く
- 膝を曲げる
- 腹部を収縮させる
- 肩甲骨を持ち上げる
- 一瞬静止する
- ゆっくり元の位置に戻る
呼吸法は、体を持ち上げるときに息を吐き、戻るときに息を吸うのが基本です。初心者の場合、10〜15回を1セットとし、3セットを目安に行いましょう。
ヒップリフト
ヒップリフトは、自宅で簡単にできるエクササイズで、大臀筋を強化するのに効果的です。腰痛の予防や改善にも役立ちます。ヒップリフトの手順は、以下のとおりです。
- 仰向けに寝て両膝を立てる
- 両手は体の横に置く
- 手のひらを下に向ける
- かかとで床を押しながら骨盤を持ち上げる
- 2〜3秒キープ後、ゆっくり元の位置に戻す
肩から膝までが一直線になるように意識すると、より筋肉を刺激できます。10〜15回を1セットとし、3セット行うのがおすすめです。
ダンベルカール
ダンベルカールは、上腕二頭筋を鍛えるトレーニングです。手のひらを上向きにしてダンベルを握り、肘を固定し腕を曲げます。フォームを崩さずダンベルを肩の近くまで持ち上げ、ゆっくりと元の位置に戻します。1セットあたり8~12回を目安に3セット行い、頻度は週2~3回が効果的です。
ダンベルカールを行う際は、肘や肩に無理な負担をかけないように注意しましょう。
ダンベルプレス
ダンベルプレスは、大胸筋や三角筋、上腕三頭筋を鍛えられるエクササイズです。ダンベルを使うことで、左右均等に負荷をかけやすいのが特徴です。ダンベルプレスは、以下のフォームで行います。
- ダンベルを両手に持つ
- ベンチに仰向けに寝転がる
- 足とお尻、頭で身体を固定する
- ダンベルを胸の横に下ろしていく
- 限界まで下げて、ゆっくり上げる
肩甲骨を寄せて胸を張ることで効率的に大胸筋を鍛えられます。初心者は1セット8〜12回を目安に3セット行うのがおすすめです。呼吸法は、ダンベルを押し上げる際に息を吐き、下ろす際に息を吸います。ベンチがない場合は、床に寝そべって行うフロアプレスでも代用できます。
レッグレイズ
レッグレイズは、腹直筋を鍛えるエクササイズです。自宅でも簡単に行え、器具を使わずにできるのがメリットです。レッグレイズは、以下の方法で行います。
- 仰向けになり、両足を伸ばす
- 両手を下腹部に置く
- お腹に力を入れ、両足を上げる
- 足を遠くに下ろしていく
仰向けになったとき、床と腰の間にすき間ができると、腰を痛める原因になるので注意しましょう。初心者は10〜15回を1セットとし、3セット行うのがおすすめです。レッグレイズは腹直筋だけでなく、太ももの前部や下腹部にも効果があります。
ジムでの筋トレのメニュー
ジムでトレーニングを行えば、より効果的に筋肉を鍛えられます。自宅でのトレーニングに慣れてきたら、ジムでのトレーニングがおすすめです。ジムでの筋トレメニューについて、以下の2点を解説します。
- 初心者向けメニュー
- 中級者向けメニュー
初心者向けメニュー
初心者向けメニューは、全身をバランス良く鍛えられるように設定します。初心者は、正しいフォームの習得が重要です。正しいフォームを習得すれば効率的にトレーニングができるだけでなく、けがの予防にも役立ちます。初心者がジムで行う筋トレは、以下のエクササイズがおすすめです。
- スクワット
- 太ももとお尻を鍛えるエクササイズです。フォームを崩さずに行うことで、下半身全体の筋肉を鍛えられます。自重に慣れてきたら、ダンベルを持って行うダンベルスクワットもおすすめです。
- ベンチプレス
- 胸や肩、腕の筋肉を鍛えるエクササイズです。軽い重さから始めて、徐々に負荷を増やしていきましょう。初心者のうちは、重りをつけずにバーだけを使って、フォームを習得するのも有効です。
- ラットプルダウン
- 背中の筋肉を鍛えるエクササイズです。肩甲骨を寄せて胸を張ることで、より効果的に背中の筋肉を鍛えられます。
- ダンベルカール
- 上腕二頭筋を鍛えるエクササイズです。軽い重さのダンベルで始めて、正確なフォームを維持するのが大切です。
基本エクササイズを組み合わせることで、全身をバランス良く鍛えられます。最初は軽い負荷から始めて、徐々に重さを増やしていけば、無理なく続けられます。焦らずに自分のペースで進めましょう。
中級者向けメニュー
中級者向けの筋トレメニューは、筋力や筋持久力を向上させるためのエクササイズで構成します。初心者向けメニューでは刺激が不足しがちで、筋肉の成長が停滞する可能性があるからです。以下のエクササイズを取り入れると効果的です。
- デッドリフト
- バーベルスクワット
- ショルダープレス
- バーベルロウ
- ディップス
- バーベルカール
- レッグプレス
- ケーブルクロスオーバー
中級者向けメニューは、複数の筋群を同時に鍛える複合エクササイズが多く含まれます。
筋トレのメニューの組み方
筋トレのメニューの組み方について、以下の3つのポイントを解説します。
- 目標に応じて設定する
- 週ごとのスケジュールを立てる
- トレーニングの順番を決める
目標に応じて設定する
筋トレのメニューは、目標に応じた設定が大切です。目標を明確にすることで、効率的なトレーニングができます。目標に応じたトレーニング方法は、以下のとおりです。
- 筋肥大:8~12回の反復を3~4セット
- 筋力向上:3~6回の反復を3~5セット
- 持久力向上:15回以上の反復を2~3セット
目標に応じた回数とセット数を設定すると、効率良く体を鍛えられます。トレーニングの進捗を記録するのもおすすめです。トレーニングの記録を定期的に見直すことで、目標に向けた適切な調整が可能になります。
週ごとのスケジュールを立てる
週ごとのスケジュールを立てるのは、トレーニング効果を最大化するのに効果的です。筋肉はトレーニング中に破壊され、休息中に成長します。週ごとのスケジュールを立てることで、特定の筋群を効率的に鍛え、十分な休息も確保できます。週ごとのスケジュールの具体例は、以下のとおりです。
- 月曜日:胸と三頭筋
- 水曜日:背中と二頭筋
- 金曜日:脚と肩
上記のように部位ごとに筋トレメニューをわけることで、各筋群に十分な休息を与えられます。休息日は最低でも1〜2日確保しましょう。ダイエット目的なら、有酸素運動の日を追加するのもおすすめです。週ごとのスケジュールを立てることで、効率的に筋肉を鍛えられます。
トレーニングの順番を決める
トレーニングの順番は、効果的な筋トレを行ううえで重要です。胸や背中、脚などの大筋群から鍛えるのが基本です。大筋群はエネルギー消費が高く、優先的に鍛えることで効果が高まります。大筋群が終わったら、肩や腕、腹筋などの小筋群のトレーニングに移ります。
トレーニングは、大筋群かつ複数の関節を使う複関節運動を先に行うのが基本です。多くの筋肉を同時に鍛えられるため、基礎筋力を高めやすいからです。単一の関節だけを使う単関節運動は後回しにします。単関節運動は狙った筋肉を鍛えられますが、最初に行うと疲労が溜まり、集中力が途切れてしまいます。
大筋群を鍛える複関節運動と、小筋群を鍛える単関節運動のエクササイズは、以下のとおりです。
- 複関節運動:スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなど
- 単関節運動:アームカール、レッグエクステンションなど
疲労度と回復時間も考慮に入れてメニューを組むと、トレーニング効果が高まります。同じ筋肉群を連続して鍛えると疲労がたまりやすいので、違う筋肉群を交互に鍛えるなど、バリエーションを持たせましょう。
筋トレのメニューを効果的に進めるコツ
筋トレのメニューを効果的に進めるコツとして、以下の4つのポイントを解説します。
- 鍛える部位を意識する
- 適切な回数と負荷を設定する
- 正しいフォームで行う
- ストレッチとウォームアップを行う
鍛える部位を意識する
トレーニングを行う際には、鍛える部位をしっかりと意識しましょう。トレーニング中に正しい筋肉を使えて、効果が上がりやすくなります。鍛える筋肉を意識するとフォームが崩れにくくなり、トレーニングの効果も向上します。呼吸を連動させて行えば、より効果的に筋肉を鍛えることが可能です。
鍛える部位を意識することは、筋トレの効果を最大限に引き出すために欠かせません。正しいフォームと意識を持ってトレーニングを行うことで、効率的に狙った筋肉を鍛えられ、理想の体型に近づけます。
適切な回数と負荷を設定する
適切な回数と負荷を設定するためには、自分の目標を明確にすることが重要です。筋力をつけたいのか、筋肉を大きくしたいのか、持久力を高めたいのかによって、適切な回数と負荷の設定が異なるからです。適切な回数と負荷の設定は、以下のポイントを参考にしましょう。
- 初心者:軽い負荷で回数を増やす
- 中級者:中負荷で回数とセットを増やす
- 上級者:高負荷で低回数、高セットを重視する
継続的に負荷を見直し、メニューを組み直すことで、効率的な筋トレができます。
正しいフォームで行う
筋トレの効果を最大限に引き出すためには、正しいフォームでエクササイズを行いましょう。正しいフォームを保つことで、効果的に筋肉を刺激し、バランス良く筋力をアップできます。正しいフォームを意識すれば、けがも防げます。正しいフォームで筋トレを行うポイントは、以下のとおりです。
- 呼吸を意識する
- 動作をコントロールする
- 各筋群に均等に負荷をかける
- 鏡を使ってフォームを確認する
- 無理をしない範囲で行う
- 必要に応じて専門家の指導を受ける
正しいフォームの習得は一見難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習すれば誰でも身に付けられます。
ストレッチとウォームアップを行う
筋トレ前はストレッチとウォームアップを行うのがおすすめです。ウォームアップを行うことで筋肉や関節を準備し、けがを予防できます。軽い有酸素運動を行えば、心拍数が上がり体全体が温まります。動的ストレッチも有効です。動的ストレッチは筋肉を温め、柔軟性を向上させられます。
使う筋肉をターゲットにしたストレッチを行うと効果的ですが、無理なく痛みを感じない範囲で行いましょう。ウォームアップとストレッチに5〜10分を費やすことで、筋トレの効果を最大化しながら、けがのリスクを最小化できます。
まとめ
筋トレを効果的に行うためには、メニューの構成や順番はもちろん、鍛える部位や適切な回数、負荷を意識することが重要です。正しいフォームでのトレーニングも、けがを予防するためには欠かせません。正しいフォームの習得は、トレーニング効果も高めます。
初心者におすすめの自宅とジムでできる筋トレメニューは、以下のとおりです。
自宅でできるおすすめの筋トレメニュー | ジムでできるおすすめの筋トレメニュー |
プッシュアップ | ベンチプレス |
プランク | ラットプルダウン |
スクワット(自重) | スクワット(ダンベル、バーベル) |
ヒップリフト | ダンベルカール |
ストレッチとウォームアップを欠かさず行えば、けがのリスクを減らしトレーニングの効果をより高められます。ポイントを踏まえ、自宅でもジムでも効率的に筋トレを行いましょう。
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